こういう話はいかにも今っぽいと思うのですが、僕の職業はレンタル彼氏で、今は特に大変お忙しくさせていただいています。それがなぜかといえば、新型コロナウィルスの影響で、テレワークのお客様がほとんど毎日(というかこの一週間は本当に毎日)、指名してくださっているからです。
世の中はこういう状況で、これを良いことだと思う気持ちなんて一切ないのですが、レンタル彼氏という仕事には、こういう魅力があると思います。社会情勢の浮き沈みみたいなものが、いい意味で反映されて、それが結果的にいいお給料とか安定という形で返ってくるんです。
ほとんど家から出ずにお仕事して高収入
最初の話の続きですが、連日指名してくださるテレワークのお客様は、僕にそこまで多くのことや大変なことを求められるわけではありません。要するにお仕事中は家のことができないので、ちょっとした身の回りの世話をさせていただいているくらいです。実際こういう外出制限なども出ている状況では、こういう勤務スタイルの方が安心できます。僕自身もそうですし、お客様にも、「あなたになら安心していろいろ任せられる」とおっしゃいます。
長期指名なので、普通の場合ですと、回数を重ねるごとに会話の種がなくなる、ということもあり得なくないと思うのですが、僕の場合、もともとあまりお喋りが得意な方ではありません。それでもいいとおっしゃってくださるお客様の優しさに甘やかしてもらっている部分もあります。
けれど、僕自身もそうなんですが、人が人に求めることの最大値って、本当に安易に言ってしまうと、「家事手伝い」みたいなことの延長なんじゃないですかね。その程度、というか。自宅で静かに一緒に時間を過ごし、家事手伝いし、レンタル彼氏をする、そういう毎日が続いているわけですが、それを楽しいなとは感じても、逆に自分の気分にそぐわない感じを持つことはありません。家事手伝いなのか、もはや、本当に「レンタル」彼氏なのか、女房なのか旦那なのか。
この自粛期間に高額バイトでお金が貯まってきました
レンタル彼氏の仕事は、始めたときからある程度しっかりとしたお給料がもらえました。さすがに場所柄新宿なので、ある程度の景気の良さは約束されているようなものです。実は田舎出身の僕にはその規模感が毎日ちょっとずつ驚きであり、未だに新鮮なのですが。
ところで、連日の政府からの自粛要請、そして長期指名のおかげで、僕自身、ほとんど外を出歩くことがなくなり、そうしていても安定したお給料がもらえて、気が付くと随分な額のお金が貯まっていました。しかもコロナウイルスの感染の心配も最小限に留められていると思います。
とはいえ、やはりそろそろ、こういうムードも疲れてきましたね。僕自身の仕事というよりも、もっと社会全体が元の状態に戻って、いやそれどころか以前よりずっと元気になるように、その日が来るのを一日も早く東京の片隅でコツコツやりながら祈っています。