仲間たちとの出会い
僕が入店したのは、昨年末です。大学卒業後は、上京してサラリーマンとして働いていましたが、2年前に父が闘病生活を開始したこともあり、家業を継ぐため地元に戻りました。地元で農業に携わる中、夢半ばで帰ってきたという気持ちは消えず、新しいことに挑戦してみたいという気持ちが消えなかったのです。
そんなとき、副業として気になっていたボーイズバーに入店しました。2019年の年度末に入店して以来、体育系3バカトリオの1人として親しんでもらっています。皆とは大学も年齢も違っていたのですが、スポーツが好きという共通点があったことが大きかったです。僕自身、中学時代にバスケ部だったこともあって、体育会系のノリですぐに打ち解けました。
普段は軽口を叩くことも多いですが、気の良い仲間で、職場ではお互いを助け合う精神が強くて、頼りになります。前職では、同僚はライバル同士といった雰囲気だったので、良い意味で驚きました。プライベートでも一緒に飲みに行きますし、今ではなんでも腹を割って相談できる良い仲間です。
3バカトリオとして親しまれて
今ではすっかりお店の名物トリオになっていて、3名まとめてご指名をいただくことも多いです。1対1だと緊張しちゃうというお客様も多いのですが、僕らは3人なので友達感覚で一緒にいられますし、学生時代に戻ったみたいで楽しい、なんて言ってもらえて嬉しかったのを覚えています。ただ、僕らだけで騒いでしまわないようには気を付けていました。3人対1人で疎外感があると寂しいこともあるので、僕らを指名してくれたお客様には、絶対に楽しくて明るい気持ちになってもらえるように意識しています。
2020年の新年最初のご指名も、3人まとめてだったのが嬉しかったです。この日の仕事内容は、お客様の引っ越しのお手伝いでした。まず花園神社で待ち合わせをして、お客様と一緒に4名でご祈祷してからご自宅に向かったのです。移動中も賑やかで笑いが止まらず、和やかな雰囲気でした。お客様のご自宅に到着してからは、一日中家財道具を自宅からトラックまで往復して運ぶ仕事でしたが、体育会系が3人もいると仕事もスムーズです。体を動かすことは何よりも好きなので、1人で運ぶのが大変なピアノや大型家具は、まさに3人の見せ場でした。声を掛け合って、テンポ良く片付けていくとあっという間です。ポジションをうまく分担して仕事ができたときは、爽快感があって嬉しくなります。
もちろん、仕事内容は力仕事だけでなく、カウンターでお客様とお話しすることもあります。そのときにもお客様が笑顔になれるよう努めることが大切です。3バカトリオで指名が貰えなくても一人ひとりのお客様を大切に頑張っています。
明るさの中にも心配りを心がけています
僕たちを指名してくれるお客様は、明るくて仲の良い雰囲気を楽しみにしてくれている方が多いです。今の時代は、職場や家族だけでなくSNSもあって、いろいろなつながりも増えたけれど、寂しさを感じる人が増えているのを感じます。僕たちといるときは、明るく元気な気持ちになれるように、なるべく楽しい会話を心がけています。
たとえば、引っ越し作業を依頼するお客様の事情はさまざまです。就職や結婚といった明るい転機のときもあれば、身内の不幸によってやむを得ず帰省する場合もあります。お客様がポジティブな状態のときは、思い切りお祝いし、もっとハッピーな気持ちになれるような雰囲気を心がけ、反対にお客様の元気がないときも、僕たちの腕の見せ所です。少しでも元気初めは落ち込んでいたお客様も、僕たちと一緒にいて、涙を流して笑ってくれるとやはり嬉しくなります。「あなたたちといると、元気になれる。ありがとう」と言ってもらえたときは、この仕事をやっていて良かったと心から思いました。
かけがえのない仲間に出会えたことが大きな財産
皆、明るい仲間ですけど、ここまでポジティブにやってこられたのは、スポーツで鍛えたストイックさもありますし、苦楽をともに頑張ってきた仲間の存在も大きいと思います。一緒に汗水流して、笑って、仕事帰りに杯を交わせる仲間ができたのは、やはり良いものです。心が温かくなるし、明日もまた頑張ろうと元気が湧いてきますので、そう思えるかけがえのない仲間に出会えたことは、僕の人生にとって大きな財産になりました。実家の仕事が人手不足のときは、仲間に手伝ってもらうこともあります。ボーイズバーを通して、力を合わせることの大切さを学ぶことができました。
お客様には、僕らのことも仲間と思ってもらえたら嬉しいです。今後も、気軽に話せるような身近な存在でいたいと思っています。気心の知れた仲間と一緒に楽しく汗をかいて、給料をもらえるので、毎日が充実しています。