義理の兄の紹介で入店
僕は、姉の旦那である義理の兄に紹介してもらいボーイズバーに入店しました。というのも、姉の旦那はここのボーイズバーで働いていて、お客様として来店していた姉と付き合うようになり、結婚したという縁があったからです。
当時の僕は、高校を中退後、ほかにあてもなく毎日目的のない日々を惰性で過ごしていました。家にいても親と喧嘩するばかりだし、お金もないから、できることも少なく、高校を辞めてしまったということがコンプレックスになっていて、なかなか次の一歩が踏み出せずにいたのです。そんな様子を見かねた姉の旦那が、勤め先のボーイズバーを紹介してくれました。初めはちょっと店を見に来ないか?という感じで声をかけてくれて、それなら、ということで新宿のボーイズバーに出かけるようになったのです。
アルバイトとしての入店を決めた理由は、老舗で店長やマネージャーがしっかりしていて、会社として正常に機能している店なので安心して働ける、という話が大きかったです。
失敗だらけでどん底の日々に染みた、店長の励まし
初めてのバイトということもあって、初めはグラスを割ることや失敗もありました。家に帰って、落ち込んじゃうこともあったのです。でも僕の場合は、店長が親身になってアドバイスをしてくれたことが大きかったのを覚えています。失敗が続いて、もう辞めたい、いつ切り出そうか…と思っていたときに、「わざとじゃないことはわかっているから、どうしたら改善できるか一緒に考えよう」と言ってもらったことで、肩の荷がすっと下りましたし、感謝しかありませんでした。
店長は、ただ声を荒げて怒鳴るのではなく、なぜ失敗したのか、どんなときにミスをしてしまうのか、といったことを諭しながら一緒に考えてくれました。マネージャーもそうです。高校を中退してから、ろくに社会経験もなかった僕を、1人の社会人として扱ってくれ、社会常識やマナーなどいろいろなことを教えてくれました。うちのボーイズバーは、店長やマネージャーがしっかりしていて相談にも乗ってくれるし、会社としても骨組みがしっかりしているから、安心して働けるのが魅力だと思います。
今では平均月給60万の頼もしい先輩スタッフへ
当初は毎日のようにグラスを割っていた落ちこぼれの僕でしたけど、今では新人さんに教える立場になりました。平均月給60万ほどで、週4回の出勤で、開店から終電までの数時間なので、時間にも余裕があります。同世代と比べても、楽して稼げているようになりました。あの頃は、未来も見えないしお金もなくて、日々不安ばかりでしたけど、今は仕事があってしっかり稼げるし、プライベートの時間もちゃんと取れるので好きなこともできるようになり、毎日が充実しています。両親も、僕が働きだしたことでいろいろ体調を気遣ってくれるようになり、それなりにうまくやっています。今の僕がこうして生活できるのも、あの頃に義理の兄が気にかけてくれて、今のボーイズバーを紹介してくれたおかげなので、本当に感謝しかないです。
おっちょこちょいの新人さんはかつての僕を見ているみたいで懐かしくなります。だから僕も、「わざとじゃないことはわかってる、できるようになるから大丈夫だよ」と安心できるような声かけを意識しているのです。これまで周りの人にフォローしてもらってきた分は、後輩たちをサポートしていくことで恩返ししていきます。