もう、地元はうんざりでした。
僕の故郷は、それはそれはもう、ド田舎です。
周りには何もありません。一番近くのコンビニまで数キロみたいな感じ(笑)仕事だって、限られてます。
肉体労働か農業しかないです。
そんな場所で、いい若い奴がさっさと人生あきらめてしまうなんて、バカげた話はありません。
仲間にはそういう奴もいましたが、僕は違いました。
とにかく何でもいいから東京に出て働きたい、お金を稼ぎたいという気持ちで、ほとんど身一つで上京してきました。
そしてお世話になっているのが、今のお店、メンキャバです。
いわゆる、住み込みバイトってやつですね。
お店が寮を貸してくれるので、そこに住まわせてもらっています。
これも別にボロってわけじゃなくて、本当に普通のマンションって感じです。
一通りの設備が整っているので、上京した初日から普通の生活ができました。
おかげで、仕事にも身が入ります。
地方出身の僕は、もちろん、こういうバイトには一切の経験がありません。
ただただ頑張るだけ。それでも場数を踏むと「慣れ」というものが出てきて、服装なんかにも気を付けていれば、普通にメンキャバに居場所が作れました。
普段は気を付けているのですが、まあそこはさすがに地方出身なので、たまに方言が出てしまいます。
それも「可愛い」なんて言われてウケるし、個性って大事なもんですね(笑)
僕みたいに住み込みバイトって形でメンキャバにやってくる人は、本当に結構多いみたいです。
地方から夢を持って、というわけではなくても、「とにかく今の状況を変えたくて」みたいな理由でも、お店はお世話してくれます。
寮もあるし、これは助かります。
だから、地方でグダグダと果てていくことに危機感を感じている若い人は、とりあえず身一つでやってきてみればいいと思います。
数か月働いたらそれなりの貯金もできるし、一人暮らしできるくらいの蓄えも作れるでしょう。
そこからお店を離れて別の仕事を探すってのもアリでしょうし、僕も実際、あと少ししたらそんな生活を始めてみるつもりです。
ただ今は、東京でもなかなか職ってのは見つかりにくいみたいで…。
お店の人には、何か資格を取っておいた方がいい、と言われていますね。
そんなこともアドバイスしてくれるんだから、まあ、本当に内側の雰囲気というのは良いですよ。
それでいてお互いに干渉しすぎないという空気感なので、誰にとっても働きやすい環境、といっていいと思います。
それにしても、あんなドドドドド田舎で暮らしていた自分が、今は新宿で一人暮らし。
生活費にも困っていないし、それどころか貯金だって結構ある、なんて信じられないです。
人生、やる気と意思次第で、結構どんな風にも切り開けるもんなんですね。
諦めることはありません。
地方にはないものが、東京には確実にあると思います。
今から何かやりたいと考えている人には、自分みたいな半端者が言うのも何ですが、頑張ってほしいです。