今はボーイズバーでお世話になっていて、いい生活をさせてもらっています。
でもその前は本当に思い出したくもないような地獄みたいな生活でした。一応仕事はしていたんですが、とにかくカネがなくて…。それに馬車馬みたいに人を使う会社で、あまり悪口は言いたくありませんが、最低な職場環境でした。
それでも死ぬわけにいはいかないので、まあ何か体力をあまり使わなくていい両立できる副業を探そうと思い立ち、いろいろと求人を漁っていたところで見つけたのが、ボーイズバーの高収入バイトです。
面接では、いろいろと赤裸々に喋ってしまった記憶がありますね。借金返済が応募の動機だとか、そういうことも…。でもお店の人もそういう人間には慣れているのか、特に憐れんだりするのでもなく、自然と受け入れてくれて、おかげさまで今のこの状況があります。
生活がつらい、ということで始めたバイトでしたが、借金返済も済んで、今はあまりの楽な仕事なので、こちらを正職にしています。そうです、完全に転職したという形ですね。
僕みたいなタイプって、意外にこの業界にもそんなに多くないみたいです。
まあ、確かに人気商売ではあるし、なかなか将来のことを考えてトータルでずっといい仕事とは言えないかもしれないんですけど、それでもこっちを正職に選んだのには、ワケがあります。前の会社の環境と比べてずっと良いし、「人間扱い」されている感じがします。
それはお店のスタッフさんもそうですが、何より、お客様がそうです。指名を貰うと、嬉しいし、自分が必要とされているという感覚があるんですよね。しかも稼げる! それも並大抵の額じゃなく稼げる。それでこの仕事を選ばない理由が、逆にどこにあるのか(笑)
まあそうは言っても、自分だって、どこまで続くか分かったものではありませんが、やっぱり懐に余裕があると人間変わるもんです。以前まではその日どうするかということしか考えられなかったのに、最近では、なんとか、将来のことも考えられるようになりました。
そうは言っても、まだ漠然と、です。親に何か恩返ししたいとか、そういうことは考えるのですが、具体的にどうということはありません。しかし、以前までは何かあると甘える対象としか考えていなかった親に、そういう気持ちを持つようになったことは、自分にとって凄い変化です。
昼間の仕事を辞めたことに関して、悔いたことはありません。それだけ稼げる仕事だし、お客様とお喋りして満足していただくという仕事には、大きな充実感があります。生活がつらい人には、とにかく一度、チャレンジしてほしい仕事です。恥ずかしがらなくても東京にはそういう若い男がたくさんいて、頑張って働いていますから。
いずれ自分のお店を持ちたい、という願望もなんとなくありますが、それにはもっとたくさんの資金が必要です。どうやって稼ぐかといえば、ボーイズバーしか僕にはありません。